Q&A

ガス消火についてよくあるご質問

  • Question

    窒素は、空気より比重が軽いですが、放出後の拡散に問題はないですか?比重が軽いことによって、下部の火災は問題なく消えますか?

    Answer

    噴射ヘッドの放射圧力により窒素ガス消火剤と防護区画内の空気が撹拌され、区画全体に均一に拡散するように噴射ヘッドの数、型式及び配置を決定していますので、防護区画の下部や狭い隙間にも消火剤が浸透して消火します。また、消火剤放出後の空気と消火剤の混合気体の対空気比重は、約0.99となります(混合気体密度(1.274kg/㎥)÷空気の密度(1.291kg/㎥)= 混合気体の対空気比重(約0.99))。防護区画の内外の気体の密度がほぼ等しいので、外気が侵入しにくく、消火効力が長時間持続します。

  • Question

    窒素ガス放出中の区画に取り残された場合、安全ですか?

    Answer

    窒素ガスは、大気中に78%の割合で存在するものであり、窒素ガス自体には毒性がありません。
    窒素消火剤放出後の低酸素状態での安全性は、(財)化学品検査協会(通産省認可)※で確認し、当社独自の実験においても、退避時の人体への影響がないことを確認しています。なお、EPA(米国環境保護省)のデータでは、酸素濃度10%が人体の安全性のボーダーラインですが、NN100の設計酸素濃度は12.5%としています。但し、火災時は燃焼ガスが発生し、危険なため速やかに退避してください。
    ※現(一財)化学物質評価研究機構

  • Question

    二酸化炭素やハロンガスと比べて、窒素ガス放出時の視界が良好なのは、なぜですか?

    Answer

    二酸化炭素やハロンガスは液体の状態で貯蔵されており、噴射ヘッドから放出した時の気化熱により空気中の水分が霧状になるために視界が悪くなりますが、窒素は気体の状態で貯蔵されており、気体のまま放出されるので、気化熱による視界の低下はありません。

  • Question

    加圧容器って何のためにありますか?

    Answer

    加圧容器に充填された加圧用ガスが貯蔵容器の容器弁を開放するとともに、容器弁出口の消火剤圧力を制御するために設けています。

  • Question

    なぜ放出時間は1分なのですか?

    Answer

    消防法施行規則において、窒素ガス消火剤の放出時間は、1分以内と規定されています。
    なお、窒素ガス消火剤は、貯蔵容器に気体の状態で貯蔵されているため、放出開始直後は流量が大きく、放出中盤以降に漸減する特性があるため、必要消火剤量の90%以上の量を1分以内に放射できることと規定されています。また、システム評価を取得し、消防法施行令第32条に基づく特例申請を行うことで、放出時間を2分にすることもできます。

  • Question

    ハロン消火設備や二酸化炭素消火設備を窒素ガス消火設備にリニューアルする場合に配管は流用できませんか?

    Answer

    一部配管の流用が可能な場合もありますが、配管の種類や劣化状況なども考慮する必要がありますので、弊社営業担当者にお問い合わせください。

  • Question

    自動起動での感知器連動は、従来の熱感知器・煙感知器のAND回路ではなく、煙感知器と煙感知器のAND回路なのですか?

    Answer

    初期消火の観点から、窒素ガス消火設備に接続する感知器には煙感知器を多く採用しています。
    ただし、防護対象とする区画の用途や消防機関の指導によって、熱感知器を採用する場合もございます。

  • Question

    液化窒素や工業用の窒素を流用して消火システムを組めますか?

    Answer

    液化窒素貯槽を使用する窒素消火システムは、消防法令に規定されていません。窒素を液体で保存するためには-195.8℃で冷却する必要があります。
    液化窒素放射後、室内が真っ白になり視界が悪くなりますので、人の退避が困難となります。また、液化窒素放射後、室内温度が著しく低下しますので、低温となった場合の人に対する安全性及び低温/結露等による機器への影響も危惧されます。更に、防護区画の大きさに応じた放出消火剤量の制御が困難なこと及び窒素供給元の圧力が低く、配管の口径が著しく大きくなることなどの問題があり、液化窒素の流用は困難です。

  • Question

    窒素ガス充填容器の交換推奨年数を教えて下さい。

    Answer

    容器弁の交換推奨年数は、18年〜20年です。また、容器本体は高圧ガス保安法に基づく容器再検査に合格すれば継続使用は可能です。
    なお、消防庁告示では、設置後30年を経過するまでに安全性に関する機器点検を実施するように定められています。

  • Question

    30MPa以上での充填はできないのですか?

    Answer

    消防法において、窒素貯蔵容器の充てん圧力は温度35℃において30MPa以下であることと規定されています。

  • Question

    ボンベ1本の重さは?

    Answer

    標準の20.3㎥/83Lの貯蔵容器は、消火剤を除いた1本の重さが約109kgで、消火剤の重さは約24kgです。

  • Question

    ボンベ室は区画から何mまで離すことができますか?

    Answer

    配管の呼び径と曲がりの数にもよりますが、配管総延長は概ね200mまでです。

  • Question

    窒素ガス消火は、放出後の配管の結露はありますか?

    Answer

    窒素ガス消火設備は窒素を気体のまま放出するため、配管の温度低下は液体の消火剤が気化する際の温度低下に比べると少ないですが、窒素が急激に断熱膨張するため、配管条件にもよりますが、多少の結露は生じます。電気機器や貴重品の真上は配管を避けるか防露対策をお願いします。

  • Question

    窒素ガス消火剤放出後の区画内温度低下はどれくらいですか?

    Answer

    消火剤放射後の室内の温度低下は3℃程度です。

  • Question

    窒素消火剤を放出した場合、区画内圧はどのくらい上昇するのですか?

    Answer

    避圧口がなく、防護区画が完全に密閉されていると圧力が約0.52気圧(約5トン/㎡)上昇します。このため、消火剤放射時の過度の圧力上昇を防止するために避圧口を設けます。避圧口は、防護区画内の圧力が耐圧強度(防護区画を形成する壁、床、天井、開口部の扉、シャッター、窓等のうち、最も脆弱な部分の耐圧強度)を超えないように設計します。

  • Question

    放出圧力で物が壊れたり、飛んだりしませんか?

    Answer

    消火設備の設置の際に、展示品などの対象物を考慮した噴射ヘッドの配置、もしくは特殊な噴射ヘッドを採用することにより対応しております。
    詳細は、弊社営業担当者にご相談ください。

  • Question

    排気の吸い込み口は立ち下げる必要がありますか?

    Answer

    窒素と空気の混合気体の比重は、空気とほぼ同じであるため排気口の位置を考慮する必要はありませんが、消防機関によっては、機械排出装置のダクトの吸込口を床面付近に設けるよう指導される場合があります。

  • Question

    窒素ガス単一充填のメリットとは何ですか?

    Answer

    窒素自体が安価です。また、ブレンド割合を管理する必要がないので、それにかかるコストが不要です。

  • Question

    他のガス消火設備とコスト比較を教えて下さい。

    Answer

    個々の区画の大きさ、対象区画数などによって異なりますので、単純な比較が出来ません。弊社営業担当者にお問い合わせください。

  • Question

    損害保険の適用を受けることができますか?

    Answer

    損害保険料率算出機構による不活性ガス消火設備標準基準に基づいて設置すれば、適用を受けることができます。
    当社の消火設備は、この基準にて設置対応いたします。保険料の軽減処置(保険料率)は、各保険会社にご確認ください。

  • Question

    消火実験や窒素ガスでの低酸素状態を体験できますか?

    Answer

    弊社では専用の実験研修施設があり、定期的に消火実験を行なうとともに、お客様に低酸素状態の体験もしていただいています。
    ぜひ弊社営業担当者にお問い合わせください。

  • Question

    可燃物を持ち込んでの消火実験をやって貰えますか?

    Answer

    可燃物を持ち込んでいただいての消火実験も可能です。弊社営業担当者にお問い合わせください。

  • Question

    避圧措置を講じなければ、どうなりますか?

    Answer

    消火剤放出時の急激な圧力上昇により、ガス放出区画の窓やドア、天井などが破損する恐れがあります。

  • Question

    避圧開口の設計条件を教えて下さい。

    Answer

    各区画の耐圧強度、避圧ダクトの長さ等を考慮して算出します。

  • Question

    避圧ダクトと排気ダクトは兼用できますか?

    Answer

    所轄消防の了承が必要となりますが、多くの消防機関は、保安上の問題がなければ避圧ダクトと排気ダクトの兼用を認めています。

  • Question

    避圧ダンパーの設定圧力は?

    Answer

    通常 200Pa(20mmAq)に設定されていますが、負圧でダンパーが開放しないように設定する必要があります。

  • Question

    ハロン、CO₂にはなぜ避圧がいらないのですか?

    Answer

    二酸化炭素消火設備及びハロン消火設備の場合は、消火剤の放出中、区画内の圧力上昇が比較的小さいため、通常は隙間からの流出で内圧の上昇がおさえられますが、密閉度が極端に高い場合は避圧措置が必要となる場合があります。

  • Question

    天井内、室内、床下が同一防護区画の場合、避圧口は1箇所でいいですか?

    Answer

    原則として天井、室内、床下にそれぞれ避圧口を設ける必要があります。但し、室内と床下の間に充分な開口を設けた場合は避圧口をまとめることができます。