ガス消火とは
“大切なもの”を濡らさず、汚さず、
火災から守り抜く。
「火は水で消すもの」と思っていませんか?しかし、火災の現場がサーバールームや博物館、電気室だとしたら、必ずしもベストな結果にならないかもしれません。
実は、そのような場面で力を発揮する「ガス消火」という設備が、私たちの暮らしの中にある無数の重要施設を守っているのです。
そもそも
なぜ水で消さないのか?
水による消火は最も一般的ですが、その「水」が火災と同じくらい大きな損害をもたらす場合があります。例えば、サーバールームの重要データや、美術館の収蔵品は、濡れてしまうと二度と元には戻りません。また、電気室やボイラー室などでは、水をかけることで感電や爆発といった二次災害を引き起こす危険も考えられます。
だからこそ、このような場所では、大切な資産を濡らさず、そして汚さずに守るガス消火設備が、最適かつ安全な選択肢となるのです。
ガス消火について
安定した品質と優れたメリット
消火剤による汚損がない
火災の影響が少なく
早期復旧も可能
消火剤は化学的に安定しており
長期にわたり
変質しにくい
電気絶縁性に優れ
電気機器への
影響もほとんど無い
気体で放出するため
複雑な構造物
でも消火できる
ガス自体の圧力で
放出するため
他の動力源に
頼らず放出できる
ガス消火システムとは
手に取って火を消すコンパクトな消火器は、皆さんもご存じでしょう。しかし、私たちが社会に提供するのは「固定式の消火設備」です。
この中でも「ガス消火設備」は、消火ガスが詰められたボンベユニットや配管、制御盤、火災感知器、警報装置など様々な機器で構成された設備(システム)であり、ガス消火システムとしてビルや工場に設置されています。自動的に火災を感知し、瞬時に作動して大容量の消火剤で消火する。これがガス消火設備(ガス消火システム)です。
手動起動装置
選択弁ユニット
動画で見るガス消火実験
【ガス消火設備が作動した場合】左の実験動画ではガス消火設備が作動した場合、火災が発生した空間でどのような状況になるか確認することができます。水による消火は全体的に水浸しとなりますが、ガス消火では火元だけを消火するイメージで損害を最小限に留めることができます。
実験では二酸化炭素消火剤を用いており、霧状となって一時的に視界が悪くなりますが、窒素ガスの場合は放射時からほぼ透明で視界に影響がありません。
なお、火元が透明ケースで覆われていますが、これは風圧によって消火するのではなく、隙間からガス消火剤が入り込んで消火することを確認しています。
ガス消火設備の種類
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窒素ガス大気中にも存在する窒素ガスを使用した消火設備。人体に安全で地球温暖化に影響せず、オゾン層も破壊しない環境にやさしい消火システムです。データセンターやサーバールームに最適で当社の主力製品です。
消火システムNN100
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ハロン油類、金属類、電気絶縁物などに化学変化をおよぼさない安定した消火設備。人体に安全で高い消火性能を有し、他の動力源に頼らず放出することができます。重要文化財や美術品の保護にも適しています。
ハロン1301消火設備
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二酸化炭素二酸化炭素は安価で、安定して入手することができることから最も多く設置されてきました。
空間を全体的に消火する全域放出方式のほか、消火対象物を局所的に消火する局所放出方式も採用でき、冷却効果も高いことからボイラー室などにも適しています。ただし、人体に有害なため高度な安全対策が必要です。
二酸化炭素消火設備
ガス消火設備の仕組み
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- 火災表示灯点灯
- 制御盤ブザー鳴動
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放出遅延用タイマー起動
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誤って
起動した場合
感知器(Ⅰ) 作動
感知器(Ⅱ) 作動
- 空調機器停止
- 消火設備起動
押す
停止